【プロフィール】
小仙 浩司
(コセン コウジ)
みんなのダンボールマン d_l_b (ディエルピー)
http://delo-by.com/
【大きなこだわり】
私は、ダンボールの楽しみ方を広める『みんなのダンボールマン』という活動の他に、d_l_b(ディエルビー)という屋号でパッケージやダンボール製品の製造側のディレクションのお手伝いをさせていただいています。
今回出展させていただいたこのパッケージは、パッケージの製造ディレクションの仕事として、はじめて声をかけていただいた案件です。
以降、いくつかパッケージの製造のお手伝いをさせていただいてきましたが、提案をする際にこだわっている点は、あまりこだわらないようにすることです。
ダンボール印刷の製版と、実際のダンボール工場と合わせて10年ほど製造部門に携わってきた中で、クライアントさんやデザイナーさんの意図しているコトモノの感覚と、製造側の通常対応できる一般的な工程やこれまでやってきたコトモノの感覚との間に少しズレやミゾがあることに気がつきました。
その感覚の間隔をうまくつなぐことが僕にできることだと考えてd_l_bを立ち上げました。
それには、私自身が大きなこだわりを持たないことが重要だと気付きました。
それぞれのこだわりは出来るだけ昇華させたいと思っていますが、時にこだわりとこだわりは大きくぶつかることがあります。(自身の中でさえ)そこをうまく着地させたり、別の着地点を探ったりするのが私の役割だと思っています。
お付き合いをするのは、クライアントさんと直接だったり、アートディレクターさんだったりその時によっても違いますが、その方たちとお話しする際は、なるべく夢が広がるようなワクワクするようなお話を逆に製造の方とお話しする際は、現実味のあるワクワクする話をするようにしています。
そして、お互いのワクワクを共有するようにしています。
d_l_bとは、design
logistics by の略でデザインの流れを、お客さんに寄り添ってスムーズにするお手伝いをするのがこだわりです。
【小さなこだわり】
小さなこだわりは、気づくか気づかないくらいで、いくつかボツになってもいいくらい、いくつもの提案を盛り込んでいたりします。
このパッケージに関しては、「B5サイズのZINEやリーフレットを同梱できるサイズ」というブリーフィングから始まったので、まず、そのサイズ観に近い身近にある箱を探してみました。
ワークショップ用に大量にストックしてある缶飲料のダンボール箱を観察すると、「L400×W270」と、B4サイズ(364×257)がほどよく収まるサイズ観でした。
これをうまく使うことで、半分のB5サイズのモノを包むように包装できるパッケージができないかと思いつき、早速サンプルをつくりクライアントさんにお見せしにいきました。
さすがに使い古しのダンボールでつくったサンプルは印象が悪いかなと思いましたが、直接会いに行ってお見せしたら、途端クライアントさんにも喜んでいただき、DIYで自分たちでもつくれるパッケージ、そのテンプレートとして今回のパッケージをつかってもらえれば、いろいろワークショップを開いたり幅が広がるねとおっしゃっていただきました。
実際のパッケージの紙はダンボールではなく、板紙を使っていますが、テンプレートにするには板紙の方が小口がよれず丈夫です。
紙の色や、熨斗紙のように巻きつけるアイデアは、アートディレクターさんによるアイデアで、もともと使い古しのダンボールから考えられたとは思えない、とてもきれいなパッケージになりました。
パッケージをテンプレートにして、実際にダンボールでつくってみるとわかりますが、もともと缶飲料のダンボールについていた折り目を何箇所かそのまま使っています。
さらに、店頭陳列用についてあるカットラインを開封ジッパーとして使うこともできます。
折り目の入れ方によって、B5だけでなくA4サイズの小包として郵送することもできます。
今はサービスがなくなってしまいましたが、各社メール便サイズになっているのも小さなこだわりです。
『甲州みそによく合うほうとう』
パッケージ
client:五味仁 氏(五味醤油株式会社)
art direction:若岡伸也 氏(TOMBOLO DESIGN)
package
direction:みんなのダンボールマン(d_l_b)
お買い求めは
・無印良品
・D&DEPARTMENT
山梨店
・五味醤油
【主催者からのコメント】
coming soon ...